Cybernetic Humanity Seminar Seriesは、心理学、AI、身体性、VR、神経科学、Human-Computer Integrationなど、幅広い分野の研究者を招く研究講演シリーズです。
Speaker: Dr. Pedro Lopes Assoc. Professor, Computer Science at the University of Chicago
Title: Integrating interactive devices with the user’s body
Abstract:
私の研究を動かす中心的な問いは、ウェアラブル機器の次に来るインターフェースは何か、というものです。私は、インタラクティブな機器が、ユーザーの生物学的な感覚や身体を動かす仕組みと統合されると考えています。人の身体の一部を意図的に借りる設計によって、従来の物理的制約を避け、小型の機器を実現できます。たとえば、電気筋刺激を使った機器では、ロボット外骨格などの触覚装置に用いるモーターの大きさという制約を、身体と機器の統合で解消できます。
この考え方は、ほかの感覚にも応用できます。化学物質をユーザーに与えて温度感覚を生み出す装置では、エアコンやヒーターのような大型の熱アクチュエータを必要としません。こうした小型化は、自由に動けることが求められるVRやARなど、モバイルなインタラクションにとくに役立ちます。
身体と機器の統合は、新しい身体能力にもつながります。左右の嗅覚を使う『ステレオで嗅ぐ』仕組みで匂いの発生源を探す機器や、筋刺激によって反応を速め、危険を避けたり、通常なら取り逃す落下物をつかんだりできる機器を開発しました。反応時間の短縮、VR・ARのリアルな再現、技能習得の高速化などの利点がある一方、身体がインターフェースと統合されたとき、自分で制御していると感じられるかという行為主体感の課題も生じます。
神経科学の研究者とともに、脳が行為主体感をどう表現するかを測定し、統合型インターフェースの設計に生かしています。ユーザーの筋肉を電気的に制御する場合でも、行為主体感を高められることが分かりました。さらに、機器を外した後にも効果が残るのは、ユーザーの行為主体感を保った場合に限られることが分かりました。
