Fragment Shadow (2020)

Credits
– Shunichi Kasahara (Sony CSL)
– Satoru Higa (BACKSPACE Productions Inc. )

Fragment Shadowは、精密に調整した投影空間の中で、鑑賞者が落とす実際の影を用いたインタラクティブアートです。

複数のプロジェクターと大きなスクリーンに対し、空間の幾何形状と色を総合的に調整して、独特の投影空間をつくります。人や物が入って一つのプロジェクターの光を遮ると、スクリーン上に他のプロジェクターの映像が現れます。

このシンプルな物理現象を使うことで、影は通常の黒い像にとどまらず、断片化や変形、テクスチャーの付与、映像の中への没入など、多様な視覚表現を持つようになります。身体の影を生む光をコンピュータで制御し、投射された身体表現を物理的に変えています。

自分の実際の影が予想外の像へと再構成されます。それでも影は物理現象なので、解像度に限界がなく、遅延もありません。この強い現実感の中で、私たちは変容した影をなお「自分」と認識し、その変化を自分に起きたこととして捉えます。

最も単純な自己の投射である影を異質なものにすることで、変容した自分と関わるためのインタラクティブシステムです。

Support received from
– Ryo Kanda (Kezzardrix)
– Akiko Saito
– Motoi Shimizu
– Ito Yuya
– Juri Oda
– Yoshiko Dokyu
– Kazuma Takada
– Shotaro Hirata
– Akihiro Komori

Fragment Shadowを発展させたバージョンです。

技術について

Fragment Shadowは、物理的な光を操作して影をデザインします。

ソフトウェアには、幾何キャリブレーション、色彩キャリブレーション、均一性キャリブレーション、フレーム同期という四つの調整工程があります。

各プロジェクターは異なる方向から光を出すため、影はスクリーン上の異なる位置にできます。幾何キャリブレーションでは、スクリーンと複数のプロジェクターの空間的な対応を計算し、整合した映像を重ねて投影できるようにします。

色彩のシステムでは、RGBとXYZ色空間を双方向に変換し、物理的な色を表すXYZ色空間で映像を合成します。各プロジェクターから複数の基準色を出して測定し、デジタルな色表現と物理的な出力色を相互に変換する関数を推定します。さらに、スクリーン上の照度の減衰を計算し、プロジェクターごとの明るさの不均一を補正します。

すべての調整が終わると、複数のプロジェクターがスクリーン上につくる物理的な色を計算でき、通常とは異なる影の表現を設計できます。異なるプロジェクターの映像を合成して一つの像をつくり、そのうち一つを遮ると、もう一方の像が影として「知覚可能」になります。これによって、実際の影を断片化したり、模様を与えたり、映像の中に入り込ませたりできます。

映像の生成では、スクリーン上の色の加算・減算を扱えます。例えば、まったく異なるテクスチャー同士から均一な白い面や任意の動画を合成し、一方を遮ると元のテクスチャーが見えるようにできます。また、複数の投影映像の層の間に自分の影を置いたり、一つの身体から幾何学的に分断された影を生み出したりする表現も可能です。

ハードウェアは、複数のプロジェクター(最大16台)、横長の大型平面白色スクリーン(最大幅15 m×高さ3 m)、GPU(AMD Radeon Pro WX9100)を備えたコンピュータで構成します。

外部リンク

https://backspace.tokyo/works/fragmentshadow/

https://www.ginzasonypark.jp/program/021/

関連活動

展示:https://www.ginzasonypark.jp/program/021/

ワークショップ:Park College(TDSWとの共同開催)


Taiwan International Light Festival 2023でのFragment Shadow
ANDY WARHOL KYOTOでのFragment Shadow × Silver Cloud
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